世界の果てまでイッテこい!珍獣ハンター!

 

 

 

「…..て…..」
「…..いて…..感…..て…..」

 

 

え?

 

 

「聞いて…..」
「…..いて…..感…..て…..」

 

 

聞いて・・?
そう私の頭の中に声が響く。
不明瞭な2回の問いかけの後に、
声の主がはっきりとこう言ったのを私は覚えている。

 

 

 

 

「聞いてよー」
「電波悪いてー 感度悪いてー」

 

 

そして最後にこう告げられた。

 

 

 

 

「海外行くなら!ルナモトのWiFi」

 

 

 

・・・

 

 

 

 

私の名前はルナモト。
エオルゼアを旅する冒険者だ。
もともとは親二人とリムサで生活をしていた。

 

 

でもある日家を飛び出した。

 

 

あの日のお告げはなんだったのだろう。
デンパ?ワイファイ?何の事?
全く意味が分からなかったが、
私があのメッセージを受け取った意味。
それを考えると、自分はこのままではいけない。
そう思って冒険へと飛び出した。

 

 

冒険の中で私は秘境に惹かれた。
もともとの素養もあるのだろうが、
秘境に訪れると必ずあの声が聞こえるのだ。

 

 

「電波悪いてー 感度悪いてー」

 

 

過去のお告げの言葉だ。
それ以外にも場所によっては
「ケンガイ・サンジー」
なども最近聞こえるようになった。
声の主は一体私に何を伝えようとしているのか。

 

秘境に訪れる中、
私の興味をそそるものがもう一つ出来た。

 

 

「珍獣」である。

 

 

秘境と言われる地には、
合わせてその土地特有の生物がいる事も多い。
まだまだ自分が見たことのない生き物、
自分が想像もできない様な生き物がたくさんいる。
そう考えると単純にワクワクした。

 

 

そして私は「珍獣ハンター」になった。

 

 

これは

 

 

私が出会った

 

 

ある珍獣との物語だ

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

最近はあまり良い出会いが無い。
この前も珍獣だって聞いて行ってみたら、
タワシに紐をつけてタワシを散歩させてる
「プロタワシ引きずりヤー」、
すなわちただのオッサンだったしな・・

 

珍獣情報にはデマが多い・・
かと言って全て疑っていると
何もできないし・・

 

 

え?うそでしょ?

 

 

いや。これがほんとなんだ。

 

 

黄色の羽毛に包まれた全身。白いアゴヒゲ。
そんな生き物の話聞いたことないよ。

 

 

ん・・何の話だ?

 

 

何人も見たやつがいるっていうんだ。
人里に現れるらしい。

 

 

危険なの?

 

 

いや、それが危害を加える様子はないらしいんだ。

 

 

じゃあ一体なんで
リスクをおかして人里に・・・?

 

 

さぁなさっぱり。一つ分かっていることは
見た目・風貌からその珍獣は皆から
「チョコボおじさん」と言われている。

 

 

その話。私にも聞かせて。

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

目撃証言があったのはこの辺り。
まずは付近の聞き込みからだ。

 

 

 

 

チョコボおじさんか・・
そんな生物聞いたことない。
でも会ってみたい。なんでだろう。

 

 

 

 

私はまだ会ったことの無い、
その珍獣に妙な感情を抱いていた。

 

 

 

 

そう簡単には情報が出ないか・・

 

 

 

ここからの眺め。結構良いじゃない。

 

 

チョコボおじさん。何故人里に。
特に危害を加える様子も無くか。
何か理由があるのだろう。それを知りたい。

 

 

 

落ち着け私。
まだ会ってもいないのに気が早いな。
まずは聞き込み。地道にやるしかない。

 

 

 

あの、この辺りで・・
珍獣の目撃情報とかってありませんか?

 

 

 

珍獣?どんなやつだ?

 

 

全身が黄色の羽毛に覆われて・・
白いアゴヒゲをはやした。

 

 

 

全身黄色の・・鳥・・?
セサミストリートか?

 

 

え・・?セサミ・・?
違います。確か、
「チョコボおじさん」と呼ばれていると。

 

 

へぇ~?あんた知ってるんだ。
「チョコボおじさん」

 

 

え?知ってるんですか?!

 

 

夜になると人里に現れる珍獣。
ただ特に人に危害を加えるでもなく、
騒ぎも全く起こさないというまさに「珍獣」さ。

 

 

一体どこに行けば会えるんですか!?

 

 

ワインポートさ。でも見た人はごくわずか。
私にその存在を教えてくれたひとも
相当やり手の珍獣ハンターだった。
その存在を常人には気づく事が出来ないのか・・
そもそも人里に降りてくる理由も分かっていない。
一体やつは何をしようとしているんだろうね。

 

 

・・・

 

 

 

良質の井戸水とぶどう栽培、
ワインの醸造で名高い街ワインポートか・・・

 

 

ここに「チョコボおじさん」がいる。

 

 

ん・・西の方角・・
何かがいる??

 

 

 

感じる・・その息づかい。

 

 

間違いない・・珍獣だ。
こんなにすぐ会えるとは。

 

 

やつだ。

 

 

 

 

 

 

 

こっちに来そうだな・・

 

 

 

 

 

あれが「チョコボおじさん」・・!
聞いた通りの見た目だ。
そしてその所作には一切の無駄が無い。
相当な使い手と見て間違いない。

 

 

 

 

 

一切の迷い無し。
彼はどこに向かっているのか。
それにしても街のど真ん中を横断するとは、
行動が大胆すぎる。やつは何者だ。

 

 

 

 

まさか・・店の中に入るというのか。
中は人がいるはずだ。
もしそんなことをしたら大騒ぎになってしまう。
何を考えている・・チョコボおじさん。

 

 

 

 

なんだと・・
これは一体・・!

 

 

 

 

誰も気付いていない・・!!
チョコボおじさんに!!
完全に気配を絶ち、この空間に存在している事を
一切周りに認めさせない。

 

 

 

チョコボおじさんは
とんでもない使い手だったのか・・!!

 

 

 

 

 

 

フルーツをガン見している・・
チョコボおじさん。何を考えている?

 

 

 

!?

チョコボおじさん・・
もしや
フルーツを盗んだのか?

 

 

 

 

 

待ってください。
あなた・・今何かしませんでしたか。

 

 

私はなにもやってない。

 

 

・・・とりあえず。
奥で話を聞かせてください。

 

 

 

 

 

万引きGメンに捕まってしまった・・
チョコボおじさんに気付くとは、、
あのGメンも相当なものだな。。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

 

 

思ったよりも早く出てきた。
特にお咎め無し・・か?
人里に降りて来ての奇行。
彼は一体何者なんだろう。知りたい。

 

私はチョコボおじさんを尾行することにした。

 

 

 

 

 

 

そして辿り着いた・・・

 

 

チョコボおじさんの住み家に

 

 

 

 

あれは・・!!!

 

 

チョコボおばさん・・・!?

なんという覇気・・!!
彼女も只者ではない!!!!

 

 

へぇ~~・・
朝帰りだなんて舐めた真似してくれるじゃないか。

 

 

違うんだ・・
これには理由があるんだ。

 

 

まぁいいさ・・
肝心のスイーツは取って来てくれたんだろうね。

 

 

すまん・・。

 

 

まさかぁ・・
手ぶらで帰って来たのかい・・?

 

 

出来なかった・・
私にはリンゴを取る事が、、
出来なかったんだ。すまない。

 

 

何回もレクチャーしただろう。

 

 

 

 

サッっと侵入し、
バッと獲物を取って、
ダッと逃げる。

 

 

サッ バッ ダッ! 
サッ バッ ダッ! 
ほら 言ってみ。

 

 

サッ バッ ダッ! 
サッ バッ ダッ! 

 

 

もっと早く!!
何回も!!

 

 

サバダ!サバダ!サバダ!
サバダ!サバダ!サバダ!

 

 

お前は鯖マイスターか。
青魚食べて血液サラサラじゃないんだよ。

 

 

 

 

本当はスイーツを取りになんて
行ってないんじゃないのかい?

 

 

私が街に行ったのは事実だ。

 

 

じゃああれかい?
カワイイ女の子と何かしてたのかい?

 

 

そんなわけないだろう・・
まぁ、、カワイイ子ではあったが・・
おれはむしろ・・何かされた側だ。。

 

 

何かされた?

 

 

あ、いや違う・・
手を掴まれてだな・・その

 

 

手を掴まれた・・フーン・・

 

 

完全に墓穴を掘ったな。。
チョコボおじさん改め、
チョコボケツおじさんだな・・

 

 

 

手を掴まれてその後は?

 

 

手を掴まれた後は・・・
椅子に座らされて・・

 

 

楽しくおしゃべりってわけかい。
それで?

 

 

それだけだ・・何もない。

 

 

それで終わるわけがないよねぇ。
カワイイ子を見てヨダレたらしてたんだろう?

 

この・・

 

 

 

 

ヨダレ鶏が!!

 

 

「狼たちの檻」に来い

 

 

 

 

 

そこにいるんだろう?

 

 

ずっと気づいていたのか。

 

 

これ以上ついてくるな。

 

 

チョコボ ケツおじさん・・?

 

 

絶対に付いてきてはいかん!

 

 

 

「オオカミたちのオリ」・・?
なるほど・・そういうことか。

 

 

 

・・・

 

 

 

 

やはりここか・・

 

 

一体何を・・?

 

 

行くぞ。

 

 

来い。

 

 

 

 

『鳥の呼吸』

 

 

【壱の型】

 

 

『焼鳥秋吉』

 

 

【弐の型】

 

 

『焼鳥大吉』

 

 

【参の型】

 

 

『鳥貴族』

 

 

 

 

 

 

 

 

付いてくるなと言っただろう・・

 

 

チョコボ ケツおじさん・・
・・大丈夫・・??

 

 

大丈夫・・に決まってるだろう・・?

 

 

え・・・?

 

 

見てみなさい・・

 

 

 

 

こんなに星が綺麗じゃないか

 

 

 

 

チョコボ ケツおじさんー!!

 

 

泣くんじゃない・・
気分はそう悪く無い。。
最後にカワイイ娘が出来たしな・・

 

 

え・・?私の事・・?

 

 

そうだ・・短い間だったが、、
楽しかったぞ。
一切の悔いなし・・!最高の人生だった・・

 

 

チョコボ ケツおじさん・・

 

 

最後に・・一言だけ良いか、、

 

 

あなたの最後の言葉は
娘の私が受け継いでいく・・

 

 

 

 

 

 

『超無念』

 

 

『悔いあるんかい』

 

 

 

 

珍獣ハンターは今日も走る・・!!

 

 

 

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